よく考えてみたら人生は美しい

せふんちゃんの名言はぴかいち

チョコレート嚢胞の手術をした話⑧

≪私、ゼリーになっちゃったの?≫
 
術後3日目。
この日から花粉を感じ始めた。
まずい。
くしゃみをすると、けっこうお腹が痛むのだ。
 
鼻を思い切りかむこともできない。誰もいない部屋で1人、お上品に鼻をかむことを強いられた。
 
 
目前に迫った退院が心配になり、看護師さんとお話をしたところ、事務系の仕事の方でも術後1週間は自宅で過ごしてから復帰するケースが多いと言われた。
 
自宅で療養?なんじゃそりゃ!
 
療養休暇のこと、全く考えていなかった。
  
いやしかしまあ、休んでいいならイェーイめっちゃホリデーしよ!
実際、お腹の傷はまだまだ痛いのだ。
 
そんなこんなで、急ではあるが申請していた休みにプラスで療養休暇を一週間いただくことにした。
 
まあ、普通、術後2日やそこらで復帰しないだろ。無理です。
 
ここまで来ると、自分が能天気やお気楽の枠に留まらない、考えの至らないただの馬鹿であることに気づいてしまう。
 
ぴえん……。
でもオタクなので推しを応援するためにはお金を稼がなければ……と、強く生きることを誓う。
 
 
 
 
術後4日目。
8時半、退院前診察。
 
地獄椅子に座っての触診とエコーは、問題なし。
しかしこの椅子は何回座っても、地獄だ。
 
摘出した内膜の写真と、術中のビデオを説明しながら見せてもらった。この映像は耐性ないときついかも。
 
卵巣の内膜にチョコボールみたいなのがぽちぽちついており、焼いたり引っ張ったり縫ったりしていたが、正直、どれが残していい所でどれがそうでない所か分からなかった。
 
そこチョコボール残っとるやんけ!という言葉は飲み込んだ。
素人目にはチョコボールかそうでないかも皆目分からない。
 
 
そして、全体的に臓器どうしの癒着もあったので、できるだけ剥がして最後に癒着を防ぐゼリーみたいなものをお腹に流し込んでおいたと言われた。
 
なにそれ怖。
 
私、ゼリーになっちゃったの?
 
先の疑惑が浮かぶ。 うつぶせで寝るのがよくないのかな。考えても分かりませんが。
 
 
 
退院許可を無事にもらい、家族へ連絡。
夕方退院して、自宅療養に突入。
 
1週間後に外来受診して様子を見ることになった。
診断書を書いてもらい、痛み止めは1週間分追加で処方してもらった。
 
お腹の傷はとける糸で縫ったので抜糸はなし。でも固い糸だから、とける前に飛び出てきたときは切ってあげるよ。
今、傷口に貼っているテープはそのままでもいいし、汚れてきたら剥がしてもいいよとのこと。
 
 ゴルフは1ヶ月後からならやってもOK。
 
 
夕方、家族が迎えに来たので看護師さんに挨拶をして、ネームバンドを切ってもらった。
 
この時点で高額医療費制度の認定証がまだ届かないので、会計では預かり金の10万円を支払った。
あとは認定証が届き次第、残りの入院費を支払うことになる。
 
 
3/5、認定証が自宅に届いた。
へその上のガーゼは痒いので剥がした。初めて自分で傷口を見たが、縫われているのでへその形が少し変わったような気がした。
 
痛みは和らいできていた。
 
後日、認定証を出して残りの支払いを済ませた。
退院から1週間後診察では問題なしで、引き続きジエノゲストを処方してもらった。
 
これを最低半年は処方してもらうことになる。
痛みも出てきておらず、不正出血などもなし。しばらくは診察なしで、薬だけ処方してもらっている状態が続いている。